壬生義士伝

日付:2008/10/28

親というものは、子供のためなら自分の事は二の次にするものですね。そんな親の愛情は昔から変わることがなく、また、人間だけでなく動物たちの姿の中にも脈々と流れています。

この本は南部藩の貧しい吉村貫一郎という侍が、脱藩し新撰組に入隊しそして新撰組と一緒に落ちぶれていく様を本人と本人の縁の人達の語り口調で書かれています。決して後世に名を残すほどの人物ではないのですが、誰よりも家族を愛し、そして誰よりも儀に厚い人物です。彼の生き方は、まさに家族のためになりふり構わずでした。家族のために生き、家族のためにお金を稼ぐため人を切る。そんな彼は人を切ると「おもさげなす」(申し訳ない)と唱える優しい人物です。それでも、江戸時代に生きる彼は主君への儀も決して忘れていません。涙が止まらなくなる場面ばかりでした。

新撰組にはたくさんの英雄がいます。近藤勇、土方歳三、斉藤一、沖田総司、そんな英雄たちにも引けをとらない人物だと思います。大きく移り変わる時代に流されながらも、自分なりの儀を貫きとおした生き方はすばらしいと思います。

この本を読むと父を思い家族を思い、自身もこんな風に生きたいと思うのではないでしょうか。人は今という現代でもいろいろな出来事に流されがちです。しかし、自分にとって大切なものをしっかりと見極め、それを守って生きたいものですね。

中井貴一さんの好演による映画も素晴らしかったです。映画も鑑賞し、是非本も読んでみてください。

書籍情報

浅田 次郎 (著)、文藝春秋 (2002/09)

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