人間失格
日付:2008/10/26
名作と名高い作品で誰もが一度は読んだことのある作品ではないでしょうか。私も昔一度読んだことがあります。その頃はどうして主人公がそんなに流されてしまうのか、じれったいようなどうしようもないのが人生ならこれからの生きていくのが怖いような気持ちになり、もっと頑張れなんて思った気がします。
もう一度読んでみて、今の私は主人公が人間失格などではなくどこにでもいる普通の人、私にももちろん当てはまる所がたくさんある人でした。それだけ私が多くの経験を良くも悪くもしてしまったのでしょう。主人公は、普通の人がすること(自分の意思に反しておどけてみせたり、心にもないのに優しくしたり)に対しても自分を卑しい人間と位置づけ傷ついていく、誰よりも感受性が豊かで傷つきやすい人間です。そのため、自分を人間失格だと思い酒や薬に溺れ、自虐的行為を繰り返します。
多かれ少なかれ、自分の言ったことを後から考え人を傷つけてしまったと思うとき取り返しのつかない思いになることがあります。わざとらしい仕草を自分でしたときそんな自分に自己嫌悪を感じることもあります。それは誰にもあることではないでしょうか。だから、主人公の気持ちに共感しこの本が名作といわれるのでしょう。
まだ、手にとったことのない方は是非一度読んでみることをお勧めします。また、一度読んだことのある方ももう一度よんでみてはいかがでしょうか。主人公の違った一面を感じるかもしれません。
書籍情報
太宰 治 (著)、集英社 (1990/11)
