白夜行
日付:2008/10/19
2年前この本が原作のテレビドラマを見始めて興味を持ち読んだ作品です。ただテレビドラマとは違い原作では主人公の気持ちは殆ど描かれておらず、事実だけが淡々と描かれていきます。
多くの不可解な事件がおきていきますが、途中から犯人は誰なのか何となく判るため推理を働かせる作品ではありません。それでも夢中で読みすすめてしまいます。数々の事件は驚くほど巧妙で怖いくらいに人の心を操作しています。犯人達はなんて恐ろしい人達なんでしょう。
しかし、そんな生き方をせざるを得なかった人生は、幸福だったのかどうか?とても考えさせられます。テレビドラマはその生き方の一つの解釈なのでしょうが、柴咲コウさんの作詞した主題歌「影」に「悲しみもつのはそう、僕の残るわずかな強さ」という歌詞があります。その歌詞を聴いた時、主人公の生き方が、とてもさみしいものに思えました。悲しみという感情しか残っていなくて、お互いへの愛は悲しみを糧としているのだといっているような気がします。悲しみという感情を持ち続けて生きていくのは苦しいですね。
しかし、何よりも誰よりも愛する人を守りあって生きるという人生の中に、生き方自体は間違っていながらも、どこか完全に否定できないものを感じるのではないでしょうか。
本を読んでまた、ドラマを見て主人公達の生き方をどう思うか、ぜひ考えて見てもらいたい作品です。
書籍情報
東野 圭吾 (著)、集英社 (1999/08)
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